不動産広告の禁止用語一覧や基本的なルールについて紹介します!
2022/08/18

2025年現在、デジタル広告やSNS発信の増加に伴い、広告表示の透明性がより一層求められています。本稿では、「禁止用語」と「基本的な広告ルール」を改めて整理し、正しい広告づくりのポイントを解説します。
目次
不動産広告で使ってはいけない禁止用語とは
不動産広告の表現ルールは、「不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)」によって定められています。全国不動産公正取引協議会連合会が運用し、消費者庁および公正取引委員会の認定を受けた制度です。
禁止されているのは、裏付けのない誇張表現や、他社より優れていると誤認させる表現です。代表的なものは次のとおりです。
- 「完全」「完璧」「万全」:欠点が全くないと断定する表現
- 「日本一」「抜群」「業界一」:優位性を示すが根拠がない表現
- 「格安」「バーゲンセール」:価格が特別に安い印象を与える表現
- 「最高」「特級」「最高級」:他より明らかに優れていると誤認させる表現
これらは、広告を見る消費者が“他より優れている”と錯覚しやすく、景品表示法にも抵触するおそれがあります。
ただし、客観的なデータや第三者の評価など合理的な根拠があり、明確に提示できる場合は使用可能とされています(例:「2024年度マンションオブザイヤー受賞」など)。
いずれにせよ、曖昧な表現は避け、裏付けを明示することが信頼を守る第一歩です。
守るべき基本ルール:宅地建物取引業法と表示規約
不動産広告は、「宅地建物取引業法」と「公正競争規約」の双方に基づいて運用されています。
とくに重要な条項は次の三つです。
● 第32条:誇大広告の禁止
物件の価格・面積・構造・立地などについて、事実と異なる内容を表示してはいけません。誇張や曖昧な表現も「誤認を与える恐れがある」と判断される場合があります。
● 第33条:広告開始時期の制限
建築確認や開発許可が下りる前の「未完成物件(青田売り)」は、広告を開始できません。許可前に掲載した場合、違法広告とされることがあります。
● 第34条:取引態様の明示義務
広告には、売主・代理・媒介のいずれかを明示する必要があります。取引主体を明確に示すことで、消費者が取引上の立場を正しく判断できるようにするためです。
表示規約で定められた「必須記載事項」
表示規約の施行規則・別表には、媒体ごとの必須表示項目が定められています。紙・Web広告を問わず、以下の情報は必ず記載しましょう。
- 免許証番号(例:国土交通大臣(3)第××××号)
- 宅建業者の名称・所在地・電話番号
- 取引態様(売主・代理・媒介)
- 取引条件の有効期限(広告有効期限)
- ネット広告の場合:情報公開日・次回更新予定日
これらの表示が欠けていると、いかに内容が正しくても「不備広告」とされる場合があります。
また、徒歩所要時間は**「80メートル=1分」として算出し、小数点以下は切り上げます。チラシなどの印字サイズは原則7ポイント以上**が推奨されており、可読性を確保することが求められます。

SNS広告・動画広告にも同じルールが適用される
InstagramやYouTube、X(旧Twitter)など、SNSを活用した不動産広告でも法的ルールは変わりません。
「SNSだから規制が緩い」と誤解している事業者もいますが、オンライン媒体は「インターネット広告」として表示規約の対象に含まれます。
たとえば、
- 「おとり広告」(実際には契約できない物件を掲載)
- 「二重価格表示」(値引き前の価格を事実と異なる形で表示)
などは、景品表示法違反に該当する恐れがあります。
SNS投稿でも、掲載情報の正確性と更新日付を明示し、リンク先で免許番号・所在地などが確認できるようにしておくことが必要です。
違反を防ぐための実務チェックポイント
不動産広告を制作する際は、次の点を社内チェック項目として確認しましょう。
- キャッチコピーや見出しに禁止用語・断定表現がないか
- 比較・優位性の主張に合理的根拠があるか
- 免許番号・所在地・有効期限などの必須情報が明示されているか
- 広告開始時期(許可・確認取得後)を守っているか
- SNSやWeb広告でも同様の基準で表現チェックを行っているか
定期的に社内勉強会を開き、最新の規約改訂を共有することも重要です。

信頼を得る広告が企業を強くする
不動産広告において最も大切なのは「顧客に誠実であること」です。
禁止用語や誇大表現を避け、正確な情報をわかりやすく伝えることで、結果的に企業への信頼が高まります。
宅建業法・表示規約・景品表示法を理解し、社内で統一した基準を設けることが、法令遵守とブランド信頼性の両立につながります。
今後はSNSや動画広告の拡大に伴い、表現ルールも進化していきます。流行に流されず、常に「正確で誠実な情報発信」を心がけることこそ、2025年以降の不動産広告に求められる姿勢です。
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